「回線が遅い」と感じたとき、まず必要なのは正確な測定です。測り方を間違えると、原因を取り違えます。
この記事では、意味のある測定をするための手順と、下り・上り・Ping・ジッターという4つの数値の読み方を整理します。
測定の原則
- まず有線で測る/これが回線の実力値です。
- 時間帯を変えて数回測る/1回の結果では判断できません。
- 4つの数値を見る/下り・上り・Ping・ジッター。
- 用途に必要な水準と比べる/数字の大小より、足りているかどうかです。
建物のタイプを確認する
マンションは配線方式で最大速度が決まります。
※本サービスはベストエフォート型です。記載の速度は技術規格上の最大値であり、実使用速度を示すものではありません。
4つの数値の意味
| 数値 | 意味 | 効いてくる場面 |
|---|---|---|
| 下り(ダウンロード) | 受信する速さ | 動画視聴、ファイルの取得 |
| 上り(アップロード) | 送信する速さ | ビデオ会議、配信、ファイル送信 |
| Ping値 | 往復にかかる応答時間 | オンラインゲーム、リモート操作 |
| ジッター | Ping値のばらつき | 会議の途切れ、ゲームのカクつき |
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宣伝で使われるのは主に下り速度です。しかし実際の不満は、上り・Ping・ジッターに起因していることが多くあります。
測定の手順
- パソコンを有線でホームゲートウェイに直結する間にハブや中継機を挟まないでください。これが回線の実力値になります。
- 他の通信を止める動画のバックグラウンド再生、大容量のダウンロード、クラウド同期を一時停止します。
- 速度測定サイトで測る複数のサイトで測ると、サイト側の混雑による偏りを避けられます。
- 時間帯を変えて測る朝・昼・夜(21〜23時ごろ)で比べると傾向が見えます。
- Wi-Fiでも測る有線との差が、Wi-Fi環境の損失です。
- 記録に残す日時・接続方法・数値をメモしておくと、問い合わせ時に役立ちます。
やってはいけない測り方
- Wi-Fiだけで測って判断する/回線の実力がわかりません
- 1回だけ測って結論を出す/たまたま低い可能性があります
- 他の通信を動かしたまま測る/帯域を奪われて低く出ます
- 古いパソコンやスマホで測る/端末側が上限になっている可能性があります
結果をどう読むか
基準になる数値
| 指標 | auひかりの実測平均(有線) |
|---|---|
| 下り | 約929Mbps |
| 上り | 約887Mbps |
| Ping値 | 約16ms |
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用途別に必要な水準
| 用途 | 必要な目安 |
|---|---|
| Web閲覧・SNS | 下り10Mbps程度 |
| 動画視聴(フルHD) | 下り5〜10Mbps |
| 動画視聴(4K) | 下り25Mbps程度 |
| ビデオ会議 | 上り3〜10Mbps |
| オンライン対戦ゲーム | 下り100Mbps+Ping30ms以下 |
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数字の大小ではなく、自分の用途に足りているかで判断してください。4K動画を見るのに929Mbpsは不要です。
数値パターン別の診断
| 測定結果 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 有線で数百Mbps出る | 回線は正常。不満の原因はWi-Fiか端末 |
| 有線で100Mbps前後で頭打ち | LANケーブルがカテゴリ5、または建物設備 |
| 有線は速いがWi-Fiが遅い | 2.4GHz帯に接続、設置場所、端末の規格 |
| 下りは速いが上りが遅い | 回線の設計、または混雑 |
| Ping値が高い(50ms以上) | Wi-Fi接続、サーバーとの距離 |
| 夜だけ数値が落ちる | 家庭内の同時利用、Wi-Fiの干渉 |
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100Mbpsの壁が出たときの確認
- LANケーブルの規格/側面に「CAT5」と印字されていたら交換対象です
- パソコンのLANポート/100BASE-TXなら端末側が上限です
- ハブを挟んでいないか/100Mbps対応のハブがボトルネックになります
- マンションのタイプV・E/建物設備の制限。宅内では改善できません
測定結果を活かす
| 目的 | 測るべきタイミング |
|---|---|
| 開通直後の確認 | 工事完了当日。基準値になります |
| 遅いと感じたとき | 開通時の数値と比較する |
| 乗り換えの検討 | 現在の回線を有線で測る |
| 問い合わせの前 | 複数回の記録を用意する |
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開通日に一度測っておくと、後から比較できます。「前より遅くなった」という感覚を、数字で確認できるようになります。
測定結果の記録テンプレート
問い合わせや比較のために、この項目を控えておくと役立ちます。
| 記録項目 | 例 |
|---|---|
| 測定日時 | ◯月◯日 21時 |
| 接続方法 | 有線/Wi-Fi(2.4GHz・5GHz) |
| 使用端末 | ノートPC・デスクトップなど |
| LANケーブルの規格 | カテゴリ5e など |
| 下り/上り/Ping | ◯◯Mbps/◯◯Mbps/◯◯ms |
| 測定サイト | 複数使った場合は全部 |
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他社との比較に使うとき
条件を揃えないと比較になりません
- 同じ接続方法(有線どうし)で比べる
- 同じ時間帯で比べる
- 同じ端末で測る
- 口コミの数値を参考にする場合も、これらが書かれているか確認してください
条件が書かれていない速度の口コミは、戸建ての有線かもしれないし、タイプVのWi-Fiかもしれません。参考程度に留めるのが妥当です。
速度測定に関するよくある質問
測定サイトによって結果が違います。
測定サイト側のサーバー混雑や、接続先までの経路によって差が出ます。複数のサイトで測って、傾向として見てください。極端に低い1回の結果だけで判断しないことが重要です。
スマホで測っても意味がありますか?
Wi-Fi環境の確認としては意味があります。ただし回線の実力を知りたいなら、有線接続のパソコンで測ってください。スマホの数値は「Wi-Fi+端末性能」を含んだ結果になります。
実測平均929Mbpsより低いのですが。
平均値なので、下回ること自体は珍しくありません。問題は用途に足りているかです。4K動画(25Mbps)やビデオ会議(上り10Mbps)なら、100Mbps出ていれば十分実用的です。極端に低い場合のみ原因を調べてください。
ジッターはどこで測れますか?
測定サイトによっては表示されます。表示されるサイトを使って、Ping値と合わせて確認してください。ジッターが大きいと、平均のPing値がよくても体感が不安定になります。
10ギガを契約しているのに1Gbps程度しか出ません。
端末側の環境が原因の可能性が高くなります。LANポートが10GBASE-T以上、ケーブルがカテゴリ6a以上でなければ1Gbpsで頭打ちになります。一般的なパソコンは1000BASE-Tのため、この状態になりやすくなります。
測定中は他の機器を止めるべきですか?
正確に測るなら止めてください。家族が動画を見ていたり、クラウド同期が動いていたりすると、その分だけ低く出ます。逆に「普段の環境でどれくらい出るか」を知りたいなら、そのまま測る意味もあります。目的に応じて使い分けてください。
測定結果は誰に伝えればいいですか?
回線に問題がありそうならKDDIです。その際は有線での測定値、測定した時間帯、使用しているLANケーブルの規格、建物のタイプを伝えると話が早く進みます。宅内環境が原因なら、自分で改善できる範囲です。
測定してもわからないこと
数値がよくても不満が残る場合
- ジッターが大きい/平均は良くても、瞬間的な落ち込みで途切れます
- 特定のサービスだけ遅い/相手側サーバーの問題の可能性があります
- 時間帯で大きく変動する/平均値では見えません
- 接続が切れる/速度とは別の問題です
速度測定は「回線の実力」を知るための道具であって、体感の不満をすべて説明できるわけではありません。数値が十分なのに不便を感じるなら、機器や設定の側を疑ってください。
Wi-Fiの損失を数字で把握する
有線とWi-Fiの両方で測ると、Wi-Fi環境がどれだけ性能を落としているかがわかります。
| 有線とWi-Fiの差 | 評価 | 対処 |
|---|---|---|
| 差が小さい | Wi-Fi環境は良好 | 対処不要 |
| Wi-Fiが半分程度 | 一般的な範囲 | 5GHz帯を確認 |
| Wi-Fiが1/5以下 | 改善の余地が大きい | 設置場所・周波数帯・端末 |
| Wi-Fiが100Mbps未満 | 要見直し | 中継機やメッシュを検討 |
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この比較をしておくと、「回線を変えるべきか、Wi-Fi環境を整えるべきか」の判断がつきます。多くの場合、後者のほうが安く済みます。
測定の頻度
| 場面 | 推奨 |
|---|---|
| 開通日 | 必ず測る(基準値になります) |
| 機器や配線を変えたとき | 変更前後で比較 |
| 遅いと感じたとき | 時間帯を変えて複数回 |
| 普段 | 測る必要はありません |
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日常的に測る意味はありません。基準値を持っておき、変化を感じたときに比較するという使い方が実用的です。
まとめ
この記事の要点
- まず有線で測る。これが回線の実力値になります。
- 時間帯を変えて数回。1回の結果では判断できません。
- 下り・上り・Ping・ジッターの4つを見る。
- 数字の大小ではなく、用途に足りているかで判断する。
- 開通日に測っておくと、後から比較できます。
正しく測れば、原因が回線側なのか宅内なのかがはっきりします。そこから対処が決まります。
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開通工事は日程を押さえた順に埋まっていきます。使いたい時期が決まっているなら、早めの手続きが確実です。
※本記事の内容は2026年8月時点の公開情報に基づく参考値です。実際の速度は利用環境により異なります。
【出典・注記】
- 実測速度:みんなのネット回線速度に投稿された直近3ヶ月のauひかり測定結果の平均値(有線・下り約929Mbps/上り約887Mbps/Ping約16ms)
- 用途別の必要速度は一般的な目安の整理であり、利用するサービスや設定により異なります。
- 記載の速度はベストエフォート型サービスの技術規格上の最大値です。